日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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アブラナ科植物自家不和合性に関わる膜結合型キナーゼMLPKの活性調節機構
*垣田 満村瀬 浩司岩野 恵磯貝 彰高山 誠司
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p. 0508

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抄録
アブラナ科植物の自家不和合性における花粉-柱頭間の自他識別には、柱頭の細胞膜上に存在する受容体型キナーゼSRK(S receptor kinase)と花粉表層タンパク質SP11(S-locus protein 11)のハプロタイプ特異的な相互作用によって制御されている。自家受粉の際、自己由来のSP11を特異的に認識することで、情報を下流に伝達し、自己花粉の吸水・発芽の抑制といった自家不和合反応を誘起する。また当研究室では、自家和合性変異株の解析から、膜結合型キナーゼMLPK(M-locus protein kinase)を同定している。MLPKは細胞膜上でSRKと受容体複合体を形成し、SRKにより直接リン酸化されることが既に示されており、自家不和合情報伝達系において重要な役割を果たしていると考えられるが、SRKによるMLPKのリン酸化部位や活性調節機構は明らかとされていない。
現在我々は、MLPKの大腸菌発現タンパク質を用いたin vitroでの解析を進めており、これまでにMLPKのN末端領域がSRKのリン酸化のターゲットとなっていることを明らかにした。さらに、この領域が自身の活性調節に関わる可能性も示されたので報告する。
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© 2010 日本植物生理学会
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