日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナAOSの9位触媒作用と酵素機能の解析
*綾野 まどか上地 さり渡邉 修治村田 有明中嶋 直子生駒 吉識嶋田 幸久吉田 茂男
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p. 0611

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抄録
植物ホルモンのジャスモン酸(JA)をはじめとして,リノレン酸由来の生理活性物質であるオキシリピン類が様々なストレス応答物質として独自の機能を持つ事が明らかにされている.オキシリピン類は陸上植物に広く存在し,少なくとも7つの生合成経路が存在する事,植物ホルモンのJA生合成では,植物種によって触媒作用の位置特異性が異なる二つの酵素,lipoxygenase (LOX)およびallene oxide synthase(AOS)が働く事が知られている.JAの生合成は13位特異的な反応で触媒されるが,触媒酵素の基質認識メカニズムついては不明な点が多い.すなわち9位,13位の各認識部位について特異性が高い場合と両方を認識する場合がある.
シロイヌナズナには基質特異性が異なるLOXが6個存在するものの,AOSはたった1つであることが明らかにされている.近年シロイヌナズナのAOSも9位と13位の両方を認識する事が示唆された.そこでトマトやジャガイモで9-LOX反応産物を基質として触媒反応を行う酵素と同様の機能がシロイヌナズナのAOSに存在する可能性が示唆された.そこで植物内における9-AOSの酵素機能について検証を行った.
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© 2010 日本植物生理学会
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