日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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光屈性シグナル伝達因子 NPH3 のリン酸化を行うタンパク質キナーゼの探索
*上原(山口) 由紀子酒井 達也
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p. 0648

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抄録
植物の芽生えは一方向からの青色光照射によって光源方向に屈曲しながら成長する、いわゆる光屈性を示す。シロイヌナズナやイネの突然変異体を用いた分子遺伝学的研究によって、NPH3 とよばれるアダプター様タンパク質が光屈性を誘導するシグナル伝達に必須の働きをすることが明らかになっている。NPH3 は暗条件下においてリン酸化されており、青色光照射下では光屈性を誘導する青色光受容体 phot1 依存的に脱リン酸化される。NPH3 の光に応答したリン酸化状態の変化は、NPH3の機能に重要な影響を与えると予想されるが、これまでその詳細は明らかになっていない。我々は、NPH3 リン酸化状態の変化が光屈性に与える影響、及びphot1 による NPH3 脱リン酸化制御機構の解明を目的として、NPH3リン酸化に働くタンパク質キナーゼの探索を行った。リン酸化NPH3特異的認識抗体を大腸菌発現スクリーニングに適用することにより、我々はNPH3をリン酸化しうるキナーゼ候補の同定に成功した。本キナーゼは大腸菌内及び in vitro において、NPH3をリン酸化しうる能力を示した。
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© 2010 日本植物生理学会
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