日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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トマトモデルシステムMicro-Tom完全長cDNA13,227クローンの大規模解析
*青木 考矢野 健太郎鈴木 絢子川村 慎吾倉林 篤史須田 邦裕大賀 一秀鳥居 舞子柴田 大輔
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p. 0731

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抄録
我々はマイクロトム完全長cDNAの取得および全長配列解読を実施し、2009年3月に13,227 cDNAクローンの完全長配列を公開している(KaFTom, http://www.pgb.kazusa.or.jp/kaftom/)。本発表では、この完全長cDNA配列の詳細な解析結果に関して報告する。インサートの平均長は1461 bpで、3’-UTRの長さが平均308 bpとシロイヌナズナよりもむしろイネに近い長さを示していた。また、10%程度のクローンがスプライシングバリアントであることが示された。推定されるタンパク質の機能分布をみると、大きな偏りなく様々な機能の遺伝子を網羅していた。他の16種の植物との比較から、トマト特異的cDNAには核酸・DNA・RNA結合機能に関連するものが多いことが示された。完全長cDNA配列をトマトゲノムBAC配列にマップしエクソン・イントロンの予測を行なうと、イントロンの平均長がシロイヌナズナやイネよりも長いことが明らかとなった。またエクソン領域からマイクロトム配列とゲノム品種Heinz配列との1塩基レベルでの差異は最大0.07%程度と評価された。トマト遺伝子は他植物よりも長いUTRやイントロンを持つ事が推定された。本研究の一部は平成20年度NBRPゲノム情報等整備プログラム「完全長cDNA配列解読によるトマトリソース高付加価値化」として実施された。
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© 2010 日本植物生理学会
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