日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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原始紅藻Cyanidioschyzon merolaeの光化学系II複合体に結合した表在性タンパク質PsbQの局在解析
*山崎 拓也長尾 遼鈴木 健裕堂前 直鞆 達也
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p. 0749

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抄録
酸性温泉藻Cyanidioschyzon merolae は2004年に真核藻類として初めて全ゲノムが解読された原始紅藻である。C. merolaeの光化学系II複合体 (PS II)の単離は、昨年度の本大会において高橋(兵庫県立大)らによって報告された。一般に光化学系IIの表在性タンパク質は一様ではなく、PsbOタンパク質は共通しているものの、他のサブユニット組成は種によって異なり、3~5のサブユニットの存在が報告されている。C. merolaeのPS IIには、同じ原始紅藻のCyanidium caldariumと同様に、4種の表在性タンパク質PsbO, PsbQ, PsbV, PsbUが結合していた。好熱性シアノバクテリアの結晶構造解析から、PsbO, PsbU, PsbVの光化学系IIにおける局在部位は明らかとなっているものの、PsbQに関する局在情報はC. caldariumにおいて、単独でPS II膜タンパク質に結合することが報告されているのみである。そこで、我々はPsbQがPS II膜タンパク質のどのサブユニットと結合しているかを明らかにするために、2種類の距離の異なる架橋試薬を用いて、抗体反応により架橋産物の検出を試みた。現在、これら架橋関係を用いてPsbQの局在位置の検討を行っている。
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© 2010 日本植物生理学会
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