抄録
大腸菌と異なり、シアノバクテリア(藍藻)のほとんどのゲノムには二種類のgroEL遺伝子が存在する。groEL1は、大腸菌のそれと同様にgroESとオペロンを形成するのに対して、groEL2は形成しない。GroEL2のアミノ酸配列は、GroEL1に比べ、種間差が大きい。葉緑体にも二種類のシャペロニンが存在する。なぜ二種類のGroEL(シャペロニン)が存在するのかについては不明である。我々は、GroEL1が通常の生育に必須の働きをするのに対して、GroEL2はストレス下で重要な働きをするという作業仮説をたてた。本発表では、シアノバクテリアのGroEL2が通常の培養条件では必須ではないが、ストレス下で重要な働きをすること、これらGroELタンパク質の構造や機能が異なること等について報告する。