日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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アサガオ、品種キダチの加齢に伴う花成
*長谷川 博山田 瑞樹竹能 清俊
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p. 0780

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抄録
アサガオは短日条件または貧栄養などのストレスに応答して花成を誘導されるが、品種キダチでは16時間明期-8時間暗期条件下で栄養塩培養液で培養しても、3週間以上経過すると9節目付近以上の上位節で花成が起こることを我々はすでに報告した。今回は、この加齢に伴う花成反応をさらに検討した。キダチを連続光下で培養した場合、5週間培養しても花成は起こらなかった。16時間明期-8時間暗期条件で5週間培養したとき、暗期の中央での光中断を毎回繰り返すと花成は抑制された。連続光下で2~4週間培養後8時間暗期条件に移すと、連続光下での培養が長くなるほど花成時期は遅れ、8時間暗期条件から連続光に移すと、花成は起こらなくなった。これらのことから、この花成は短日花成の一形態であり、一般に長日条件と考えられる8時間暗期条件が短日条件として作用するものと思われる。そこで、4、6、8時間の暗期条件で4週間育てたところ、4時間暗期では花成は起こらないが、6時間暗期で花成が誘導され、8時間暗期では100%が花成を誘導された。異なる齢の植物に1回の8時間暗処理を行うと、0週齢では花成が起こらないが2週齢では95%が花成を誘導された。これらの結果から、キダチでは、加齢の進行に伴い限界暗期が短縮することがわかった。
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© 2010 日本植物生理学会
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