日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

シロイヌナズナMIZ1の水分屈性発現経路における作用点の同定
*宮沢 豊森脇 哲平内田 真弓柿本 洋子小林 啓恵高橋 あき子藤井 伸治高橋 秀幸
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0808

詳細
抄録
水分屈性は,根が水分勾配を感知し水分含量の多い方向に屈曲する現象である.これまでの解析から,水分勾配刺激により根端のデンプンの分解が起こること,水分屈性発現に必須の分子として,MIZ1およびMIZ2/GNOMがあることが明らかになっている.MIZ2/GNOMは小胞輸送に機能するARF-GEFであることが明らかになっている一方で,MIZ1は機能未知のタンパク質である.本研究は,水分屈性発現過程において水分屈性に必須の分子であるMIZ1の作用点を同定することを目的として,水分屈性を欠損したmiz1, miz2および水分屈性の亢進が認められるMIZ1過剰発現体を用いて生理学的解析を行った.その結果,(1)miz1miz2ではともに水分勾配刺激により根端のデンプン分解が起こること,(2)小胞輸送阻害剤BFAはMIZ1過剰発現体においても強く水分屈性発現を阻害すること,(3)miz2バックグラウンドのMIZ1過剰発現はmiz2の表現型を呈することが明らかになった.これらの結果から,MIZ1は水分屈性発現過程において,水分勾配刺激依存的デンプン分解の下流,かつMIZ2/GNOMの上流で機能することが示唆された.
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top