日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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舌状花弁特異的発現を示すカロテノイド酸化開裂酵素遺伝子CmCCD4aのプロモーター単離と応用への検討
*能岡 智岸本 早苗野田 尚信大宮 あけみ
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p. 0854

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抄録
カロテノイド酸化開裂酵素遺伝子CmCCD4aはキク舌状花弁特異的発現を示し、管状花・葉・茎・根では発現が見られない。更にCmCCD4aは、舌状花弁に蓄積するカロテノイドの分解に関わっており、花色を白く保つ機能があることが示されている(Ohmiya et al. 2006)。舌状花弁特異的発現は転写レベルで認められるため、CmCCD4aプロモーターの単離・解析によって花弁特異的プロモーターを開発できると考えた。
キクゲノムからTAIL-PCR法によって全長約3 kbのCmCCD4a上流域を単離した。一過的発現系を用いた欠失解析の結果、開始コドン上流域1.2 kbがあればレポーター遺伝子GUSの舌状花弁特異的発現を再現できた。またプロモーター1.2 kb内に、器官特異的発現に関与する2箇所のcis領域: cis1, cis2を見出した。これらcis領域とCmCCD4aプロモーター1.2 kbを組み合わせる事で、プロモーター活性と舌状花弁特異性を更に高めることが出来た。今後は改変CmCCD4aプロモーター:: GUSコンストラクトを導入したキク形質転換体を作製し、花弁特異的発現を再現できるか調査する予定である。
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© 2010 日本植物生理学会
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