日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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群体性微細藻Botryococcus brauniiのスクアレン合成酵素遺伝子ゲノミッククローンの単離と遺伝子構造の解析
兼田 昇内田 英伸岡田 茂*大濱 武
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p. 0855

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抄録
スクアレン合成酵素はステロール生合成系における最初の親油性前駆体を合成する酵素である(Suzuki et al 2002, Akamine et al 2003, Lee et al 2004, Uchida et al 2009)。群体性微細藻Botryococcus brauniiでは、二次代謝産物であるメチルスクアレンおよびその誘導体が、体外の細胞外マトリクスに放出、蓄積される。これまでにこの生物のスクアレン合成酵素遺伝子のcDNAクローニング・機能解析がなされ(Okada et al. 2000)、スクアレン合成酵素活性は細胞植え継ぎ直後に顕著に上昇し、微弱な活性がその他の時期に恒常的に検出されることが報告された。本研究では、Botryococcus brauniiのスクアレン合成酵素の転写の様態を解析するために、同遺伝子のゲノミッククローンの単離を試みた。その結果、0.55 kbのクローンと1.4 kbクローンを単離した。これらの塩基配列を解析した結果、第52番残基の第2番塩基の直後と第232番残基の第3番塩基の直後にそれぞれ223bp, 756bpの介在配列を確認した。現在、同遺伝子の他領域をカバーするクローンのPCR増幅と5’上流域のRESDA-PCRを行うとともに、誘導性発現・恒常的発現を行うと推測される他遺伝子のcDNAクローニングも行っている。
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© 2010 日本植物生理学会
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