日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

COP9シグナロソーム と相互作用する植物固有の転写因子の機能解析
*中井 秀人安喜 史織Heyl Alexander青山 卓史柘植 知彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0863

詳細
抄録
COP9シグナロソーム (CSN)は核内で情報伝達を制御するタンパク質複合体である。CSN1サブユニットのN末端領域 (CSN1N)は、動物で転写抑制能を示し、植物では生存に不可欠である。CSN1Nが担う分子機構を解明するためにCSN1Nと相互作用する因子群を、シロイヌナズナのcDNAライブラリを用いたYeast Two-Hybrid法によって単離した。その結果、植物固有の転写因子と推定される機能未知のタンパク質を得た。
このタンパク質には、既知のドメイン構造はなく、よく保存されたアミノ酸配列が存在していた。アミノ酸配列の二次構造に着目すると、この保存された領域は3つのヘリックスを形成することが予測され、このタンパク質がシロイヌナズナにおいてTrihelix protein ファミリーのメンバーであることが明らかとなった。このファミリーには転写因子として同定されているタンパク質が存在するが、多くのタンパク質は未だ解析されていない。
シロイヌナズナより単離したこのタンパク質を用いて、in vitro でCSN1Nとpull-downを行なったところ、このタンパク質はCSN1Nと特異的に結合した。今回、このタンパク質をコードする遺伝子の発現プロファイルおよび、機能欠失変異体の同定とその表現型を報告し、タンパク質のそのものの機能とCSN1の相互作用が担う役割について議論する。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top