日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

シロイヌナズナの二次代謝を制御する転写因子の解析
*中田 克岩瀬 哲松井 恭子光田 展隆甲斐 光輔太田 大策櫻井 望鈴木 秀幸柴田 大輔高木 優
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0870

詳細
抄録
植物における代謝経路の改変によりゴムや医薬品原料などの有用物質をより効率的に生産できる可能性がある。近年、同一の代謝経路において機能する複数の代謝酵素遺伝子の発現を協調的に制御する転写因子の存在が明らかにされてきた。このような転写因子の機能を操作し複数の酵素遺伝子の発現を同時に制御することにより、単一の代謝酵素を操作するよりも効率的な代謝経路の改変が可能になると期待される。我々は転写因子を利用して二次代謝経路を人為的に操作することにより、有用物質を大量に生産する植物を作出することを目的とし、独自に開発した遺伝子サイレンシング法であるChimeric Repressor Silencing Technology(CRES-T)を用いて主要な二次代謝に関わる転写因子の同定を進めている。代謝経路の律速段階や、分岐点で機能する代謝酵素の精密な制御により多様な二次代謝産物の合成量が調節されていると考えられることから、これらの酵素遺伝子と発現パターンに相関がみられる転写因子をリストアップし、それらのCRES-T植物における二次代謝産物をメタボローム解析により調べた。これまでに二次代謝産物のパターンに変化の見られた転写因子を複数同定したので報告する。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top