日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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8-ニトロGMPは孔辺細胞で生成する
*上土井 貴啓七里 雄大赤池 孝章澤 智裕岩井 純夫
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p. 0900

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抄録
気孔は、植物葉表皮に存在する水蒸気や二酸化炭素の通路となる2個の孔辺細胞に囲まれた小さな孔で、乾燥・高濃度二酸化炭素・暗黒・菌の感染・植物ホルモンなどによって閉じるが、そのシグナル伝達経路については不明な点が多い。cGMPがニトロ化された新規化合物8‐ニトロcGMPが気孔閉鎖を誘導することを前回の本会で報告したが、本物質が植物細胞で生成されるか否かは不明であった。今回は免疫染色により孔辺細胞での生成の有無を調査したので報告する。
ABAおよびNOによりニトロcGMPの孔辺細胞での生成は誘導され、NO消去剤あるいはcGMP合成阻害剤により、その生成は阻害される。すなわち、ニトロcGMPは、NOおよびcGMP依存的に生成される。本物質は気孔閉鎖条件下で生成され気孔閉鎖を誘導することから、気孔シグナル分子であることが明らかになった。
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© 2010 日本植物生理学会
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