日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

D-セリンはグルタミン酸誘導性気孔閉鎖のアゴニストである
*神薗 信人七里 雄大岩井 純夫
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0899

詳細
抄録
グルタミン酸は動物の中枢神経系のシグナル伝達物質として、学習・記憶に深く関わっているが、植物においても20種のグルタミン酸受容体が存在し、様々な生理作用を司っており、気孔もグルタミン酸によって閉鎖が誘導されることは、前回の本会で報告した。
動物のグルタミン酸受容体においては、D-セリンがグルタミン酸のアゴニストとして働くことが知られており、同様な効果が気孔についてもあるかを調べたところ、D-セリンはグルタミン酸に対する相乗効果があることが明らかになった。また、数種のグルタミン酸受容体のT-DNAノックダウン系統について調べたところ、GLR1および3のノックダウン系統では気孔閉鎖について野生型と同じ表現型を示すが、GLR2.6ノックダウン系統ではABAによって気孔閉鎖はするがグルタミン酸による気孔閉鎖はせず、本受容体が気孔のグルタミン酸受容体として働いている可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top