日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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植物特異的DNA結合タンパク質VOZは転写コアクチベーターMBF1bと相互作用する
*中井 勇介佐藤 雅彦安居 佑季子河内 孝之山崎 健一中平 洋一
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p. 0907

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抄録
VOZは、維管束組織において特異的に発現するone zinc-fingerタイプのDNA結合タンパク質であり、陸上植物のゲノムにおいて広く保存されている。シロイヌナズナには2種類のVOZ(AtVOZ1, AtVOZ2)が存在するが、遺伝学的な解析から花成制御や低温ストレス応答などの現象に関与することが示されている。しかしながら、転写制御におけるVOZの分子機能については、未だ不明な点が多い。本研究では、VOZにMBF1が相互作用することを見出したので報告する。MBF1は、古細菌から真核生物まで広く保存されている転写コアクチベーターであり、シロイヌナズナにはMBF1a,b,cの3種類が存在する。Y2Hやin vitroでの相互作用解析の結果、VOZ1,2は、共に、MBF1bとのみ特異的に結合することが分かった。さらに、プロモーター解析から、VOZ1,2及びMBF1bが維管束組織において共発現していることも明らかになった。現在、MBF1b変異体での花成時期や耐凍性についての評価を進めており、その結果も踏まえて、転写制御におけるVOZ1,2とMBF1bとの関係を考察する予定である。
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© 2010 日本植物生理学会
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