日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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マメ科の植物ミヤコグサABCタンパク質LjABCG1の発現および機能解析
*福田 正充杉山 暁史高梨 功次郎士反 伸和田畑 哲之佐藤 修正矢崎 一史
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p. 0949

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抄録
共生窒素固定(SNF: Symbiotic Nitrogen Fixation)はマメ科植物などに形成される根粒で行われるが、根粒形成とSNF機構において物質輸送は様々な局面で重要な役割を果たしているものと考えられる。植物の膜輸送系タンパク質のなかでATP binding-cassette(ABC)タンパク質は最大のファミリーを形成し、その輸送能を介して様々な生理機能を担っていることが解明されているが、SNFにおいても重要な役割を果たすABCタンパク質のメンバーがあると予想される。
マメ科のモデル植物ミヤコグサについて組織別発現をリアルタイムPCR法で解析したところ、根粒菌が感染した時に根で発現が顕著に上昇するABCタンパク質としてフルサイズABCGファミリーのメンバーが多いことが判明した。特にこれらのうちchr3.CM0026.74は、河内らによるcDNAアレイ解析(Kouchi et al., DNA Research 11: 263-274, 2004)で根粒感染初期に発現が誘導されることが示されていることから、根粒形成初期において発現が著しく上昇し、根粒形成に深く関与しているとことが示唆されたため、ミヤコグサABC タンパク質LjABCG1に注目しこの遺伝子をLjABCG1と名づけ、その発現および機能解析を行った。
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© 2010 日本植物生理学会
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