日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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根粒菌接種に対するミヤコグサのリポ多糖結合性タンパク質遺伝子の発現特性
*高山 仁美村上 英一九町 健一阿部 美紀子武藤 さやか永野 幸生東 四郎内海 俊樹
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p. 0948

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抄録
根粒菌とマメ科植物の共生成立には、根粒菌のリポ多糖(LPS)が重要な要素であることを示す報告は多い。しかし、植物による細菌のLPS認識機構は未解明である。動物では、リポ多糖結合性タンパク質(LBP)が、細菌由来のLPSと複合体を形成し、自然免疫を活性化する。植物のLBPを探索した結果、ミヤコグサゲノム上に、LjLBP1、2、3、4の4種を同定した。本研究では、根粒菌との共生における宿主植物のLBPの機能解明を目指し、ミヤコグサのLBPの発現を定量RT-PCRで解析した。
NH4Cl 0.5 mMを与えて栽培したミヤコグサを根粒非着生体、根粒菌を接種して栽培したものを根粒着生体とし、葉、茎、根、根粒に分けて発現量を解析した。ただし、LjLBP34は、cDNAの相同性が96%と高いため、両遺伝子の発現量の総和(LjLBP3/4)として解析した。各組織のLjLBPの発現量を根粒非着生体と根粒着生体で比較すると、いずれのLjLBPも根粒着生体での発現量が低かった。特にLjLBP3/4の発現量は著しく抑制された。また、根粒菌接種後0h、4h、10h、24hでの初期応答を解析したところ、LjLBP3/4は根粒菌接種後4hで発現量上昇が見られた。このことからLjLBP3/4LjLBP1及びLjLBP2とは役割が異なる可能性が示唆される。
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© 2010 日本植物生理学会
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