日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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F-BOXパネルの作成と利用
*松井 南堀井 陽子高橋 直紀新島 薫川島 美香近藤 陽一真鍋 勝司黒田 浩文
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p. S0029

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抄録
植物のE3の中でもF-BOXタンパク質は、植物で大きな遺伝子ファミリーを形成して、種々の生理現象に関わっていることが報告されている。シロイヌナズナでは、私達及び他の研究グループが約600のF-BOXタンパク質遺伝子を予測している。私達は、種々の生理現象に関与するF-BOXタンパク質の機能解析を進める研究素材として、シロイヌナズナからF-BOXタンパク質遺伝子の網羅的なクローニングを行った。現在までに約454のF-BOXタンパク質ORFを単離し、配列確認を行った後に、接合型のY2Hへ導入を行い、種々のタンパク質との相互作用を解析できるようF-BOXパネルを作成した。このF-BOXパネルを用いてシロイヌナズナに22種類存在するASK(Arabidopsis Skp1 homologs)との全相互作用解析を行った。約10,000の相互作用解析の結果、130のF-BOXタンパク質が有意にいずれかのASKと相互作用を示し、多くは、ASK1, ASK2, ASK11, ASK12との相互作用であったが、ASK3、ASK4に特異的に結合を示したF-BOXタンパク質群が存在した。これらの発現様式をマイクロアレイデータベースで比較してみるとともに発現様式が重なるか実際に生理的条件においても相互作用する可能性を検索した。
このF-BOXパネルは、任意のタンパク質の迅速なE3探索に有効である。
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© 2010 日本植物生理学会
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