日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

マイクロトムを用いたクロモプラスト分化機構解明のためのプラスチドプロテオーム解析
*本橋 令子鈴木 美穂高橋 祥子西村 篤人道羅 英夫切岩 祥和藤原 正幸深尾 陽一郎永田 典子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. S0036

詳細
抄録
急速に技術が発達しているプロテオーム解析技術とトマトゲノムリソースを利用し、 葉緑体からクロモプラストへの分化に関与するタンパク質を同定するために、成熟段階の異なるマイクロトム果実(緑、黄、オレンジ、赤)よりプラスチドを単離し、タンパク質を同定し、各ステージのタンパク質を比較した。そこで、我々はクロモプラストに特異的なタンパク質を多数同定している。赤い果実のステージではカロテノイドや脂質に関係するタンパク質、ヒートショックタンパク質やリポカリンが多く蓄積しており、現在、それらの変異体をRNA干渉 法を用いて作成中である。
また、我々はショットガンプロテオミクスにより約440のプラスチドタンパク質を同定した。同定したクロモプラストタンパク質をジーンオントロジーによりグループ分けを行なった結果、生物学的プロセスでは、同定したタンパク質の約半分が“代謝プロセス”に関わっていることが分かり、次いで“刺激への応答”、“細胞内プロセス”などを含む事がわかった。
さらに、我々は白、黒やオレンジ色の果実を持つ変異体や栽培系統、成熟が途中で止まってしまうような変異体を集めている。それらのクロモプラストのプロテオームデータを野生型のマイクロトムの4つのステージのプロテオームデータと比較し、クロモプラスト分化や成熟、果実色に関与するタンパク質を同定したいと考えている。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top