日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

トレニア花粉管における誘引物質LUREsの受容機構の解析
*奥田 哲弘後藤 宏旭佐々木 成江東山 哲也
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0026

詳細
抄録
被子植物の受精において,助細胞から分泌される花粉管誘引物質は,花粉管が正確に胚嚢へ到達するのに最も重要な鍵因子である.これまでに我々は,トレニア助細胞の遺伝子発現プロファイルを解析し,真の花粉管誘引物質LURE1およびLURE2を同定した(Okuda, Tsutsui et al., 2009).また最近,LUREを蛍光色素で可視化し,LUREの挙動を直接可視化する技術を開発した(Goto et al., 2011).
誘引物質LUREsが明らかとなり,花粉管ガイダンスを分子レベルで直接的に解析することが可能となったことから,LUREsの作用機序の解明や,その受容体の分子的実体に興味が持たれる.本研究は,花粉管がいかにしてLUREsを受容するかを明らかにするために,花粉管側の受容体を同定することを目指している.まず,花粉管に精製LURE2を与え,抗LURE2抗体を用いた免疫染色により,花粉管が先端でLUREを結合することを明らかにした.また,花粉管のLUREsに対する応答能において,母体組織である花柱による影響を解析した.本発表では,生理学的解析を用いた,花粉管のLUREs受容における母体効果について紹介したい.
著者関連情報
© 2011 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top