日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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受精を完了した後にも胚珠が花粉管を誘引してしまうシロイヌナズナ多精拒否変異体の解析
*丸山 大輔笠原 竜四郎風間 裕介阿部 知子東山 哲也
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p. 0028

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抄録
被子植物の受精過程は雌しべの柱頭に花粉が付着することから始まる.花粉は柱頭で吸水・発芽し,花粉管を伸長させる.そして花粉管は雌しべ内部を急速に伸長し,雌性配偶体を有する胚珠へと到達する.このとき,花粉管は雌しべの組織や雌性配偶体から分泌されるシグナル分子によって,花粉管ガイダンスと呼ばれる伸長方向の調節を受けると考えられている.近年,われわれの研究室では,雌性配偶体の助細胞から分泌される低分子タンパク質のLUREが花粉管誘引活性を持つことを示した.LUREの発見を始め,花粉管ガイダンスの分子機構は徐々に明らかにされてはいるが,既知の分子では説明できないことが未だ多く存在する.例えば,LUREのような誘引物質を分泌する未受精の胚珠には度に多数の花粉管が殺到しそうであるが,実際は1つの胚珠に対して1本の花粉管のみが正確に誘導される様子が観察される(添付図参照). これは受精後の胚珠が,追加的な受精(多精)がおこらないように制御する多精拒否機構の存在を示唆する.被子植物の多精拒否の分子機構にせまるため,われわれは,受精済みの胚珠に対しても花粉管が誘引されるシロイヌナズナ変異体を分離し,解析を行った.
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© 2011 日本植物生理学会
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