日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナのクラスリン軽鎖と重鎖の相互作用の解析
*西村 浩二石川 翔太山内 淳司服部 沙陽子中川 強地阪 光生長屋 敦横田 一成
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p. 0111

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抄録
クラスリンはクラスリン被覆小胞の被覆タンパク質であり、動物、酵母、植物におけるトランスゴルジ網や細胞膜のタンパク質を種々のエンドソームに輸送する機能をもつ。クラスリン被覆は、トリスケリオンと呼ばれる三脚巴の構造からなり、三分子のクラスリン重鎖(CHC)が一分子のクラスリン軽鎖(CLC)とそれぞれ結合した六量体から構成される。CHCのアミノ酸配列は真核生物で広く保存されているが、CLCの保存性は比較的低く、このためCLCは生物種特異的な機能を持つことが示唆される。さらにシロイヌナズナにおけるCHCとCLCの相互作用の詳細は明らかではない。本研究ではシロイヌナズナクラスリン分子のCHCとCLCの相互作用を詳細に解析した。酵母two-hybridアッセイや二分子蛍光相補性解析(BiFC)によりシロイヌナズナCLCはCHCと相互作用することが明らかになった。さらにCLC(1-258)の欠失解析によりCLCの中央領域(82-144)が重鎖のカルボキシル末端側のHub領域(1086-1705)と相互作用することが示され、シロイヌナズナのCHCとCLCは哺乳動物のクラスリンと同様な相互作用をすることが示唆された。さらに変異導入解析によりCHCとの相互作用に関わるCLCのアミノ酸を解析したので合わせて報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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