日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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RNA結合タンパク質AtRBP1のシロイヌナズナにおける機能解析
*志田 拓洋本村 泰三加藤 敦之
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p. 0197

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抄録
RNA結合タンパク質AtRBP1(Arabidopsis thaliana RNA binding protein1)は、シロイヌナズナの根端、茎頂、カルスなどの細胞分裂が盛んな部位において発現している。このRNA結合タンパク質の機能解析として、大きく分けて以下の二つの実験を行った。一つは、AtRBP1の発現抑制が起こるトランスジェニック植物を作製し、生長への影響を観察した。現在のところ根の伸長阻害と塩ストレス耐性の低下という表現型が得られている。もう一つの実験としては、AtRBP1が結合するRNA分子の探索を行った。In vitroでは、ランダムな50ntのRNAを用いた結合実験を行い、AtRBP1がUUAGG、並びにこれに類似の配列が複数個近接して存在する部位に優先して結合することが示された。そしてin vivoでは、AtRBP1とGFPの融合タンパク質を発現するトランスジェニック植物から抽出したタンパク質を材料にGFP抗体を用いたIPを行い、融合タンパク質が含まれる溶出分画からRNAを抽出してcDNA合成と配列決定を行った。今のところin vitroで明らかになった結合配列を持つ複数の結合候補遺伝子が見つかっており、条件検討を重ねて更なる候補遺伝子の探索と絞り込みを行っていく。
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