日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

複数の転写因子が低ニコチンタバコ品種では欠失している
庄司 翼梶川 昌孝*橋本 隆
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0248

詳細
抄録

タバコは根においてニコチンとその類縁ピリジンアルカロイドを生合成する。また、葉部への食害に応答してその生合成がジャスモン酸情報伝達系を介して誘導される。NIC制御遺伝子座が生合成を正に制御していることが遺伝学的に知られており、それらの変異アレルは低ニコチンタバコ品種の育種に利用されてきた。我々はNIC2遺伝子座(B遺伝子座とも呼ばれていた)に特定のサブファミリーに属する複数のERF型転写因子がクラスター化して存在し、nic2変異体では少なくとも7つのERF遺伝子が欠失していることを明らかにした。これらERF遺伝子はニチニチソウにおいてインドールアルカロイド生合成に関わるジャスモン酸誘導性転写活性化因子ORCA3と高い相同性を示す。このNIC2/ORCA ERFサブファミリーがジャスモン酸誘導性の二次代謝の制御に異なる植物系統で独立に用いられるようになったことが考察された。

著者関連情報
© 2011 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top