日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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イネアルミニウム応答性転写調節因子ART1のシス配列の同定
*筒井 友和山地 直樹馬 建鋒
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p. 0277

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抄録
イネは最もアルミニウム(Al)耐性の高い穀物の一つで,その高い耐性には複数の遺伝子が関与していることは我々が最近同定したアルミニウム応答性転写調節因子ART1において明らかにした.ART1は新奇のC2H2型zinc finger転写因子で,下流に30余りの遺伝子を制御している(Yamaji et al., 2009).本研究では,下流の遺伝子の一つであるSTAR1のプロモーター領域を用いて,ART1特異的なシス配列の同定を試みた.酵母one-hybrid法によって結合領域を絞り込んだ後,Gel shift assayを用いて詳細な検討を行った結果,ART1のシス配列はGGN[T/g/a/C]V[C/A/g]S[C/G]であることを突き止めた.このシス配列は,ART1が制御する31個の遺伝子のうち28個の遺伝子のプロモーター配列上において確認された.このシス配列がART1によるAl応答に関与していることをin vivoで確認するため,35S 最少プロモーターとGFPレポーターの上流に1回,あるいは5回タンデムにつないだコンストラクトをART1とともにタバコの葉肉細胞プロトプラストに導入した.その結果,このシス配列とART1の共存下でアルミニウムに応答したGFPの発現増大がみられ,5回タンデムに並べたほうがより強い応答性を示した.
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© 2011 日本植物生理学会
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