日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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道管分化マスター因子の発現を制御する転写因子の探索とその解析
*遠藤 仁山口 雅利中野 仁美西窪 伸之大谷 美沙都加藤 晃片山 義博梶田 真也出村 拓
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p. 0480

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抄録
私たちはこれまでに、シロイヌナズナ培養細胞の道管要素への分化転換を同調的に誘導する実験系を確立し、これを用いたマイクロアレイ解析により道管要素分化誘導過程において発現が変動する遺伝子を多数同定した。さらに、これらの中で、NACドメイン転写因子をコードするVASCULAR-RELARED NAC-DOMAIN7 (VND7)が道管分化のマスター因子であることをすでに明らかにしている。本研究ではVND7の発現制御に関わる転写因子を同定するために、道管要素分化過程でVND7と同調して発現が上昇する転写因子に着目し、VND7プロモーター:ルシフェラーゼをレポーターとしたパーティクルボンバードメントによるトランジェント解析を行った。その結果、VND7を含む7種のVNDファミリー遺伝子すべてがVND7の発現を正に制御することが明らかとなった。また、VND以外の80種の転写因子について解析を行ったところ、VND7の発現を正に制御する複数の転写因子を同定した。このうち、新たに同定したNACタイプの転写因子の機能解析を進めたところ、過剰発現体において異所的な二次細胞壁形成が認められた。このことから、現在NAC転写因子について更なる機能解析を進めており、その結果についても報告したい。
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© 2011 日本植物生理学会
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