日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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I型プロテインボディにおけるイネプロラミンの部位特異的蓄積メカニズム
*斉藤 雄飛佐生 愛山崎 竜一森田 重人佐藤 茂増村 威宏
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p. 0514

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抄録
プロラミンは、主要なイネ種子貯蔵タンパク質の一種であり、小胞体由来のタンパク質顆粒であるI型プロテインボディ(PB-I)を形成する。最近の研究から、PB-I内部において、10 kDa, 13 kDa (13a, 13b), 16 kDaプロラミンが層状に蓄積することが明らかになったが、PB-Iにおける部位特異的蓄積メカニズムについては未知な点が多い。そこで本研究では、レポータータンパク質として緑色蛍光タンパク質(GFP)を用い、プロモーターや成熟ポリペプチドがPB-Iにおける局在部位に与える影響を明らかにすることを目的とした。
CaMV35Sプロモーター、およびプロラミンプロモーター制御下で、GFP単独、および13aプロラミン-GFP融合タンパク質を発現する形質転換イネ(35Spro:GFP, 35Spro:13a-GFP, 13apro:13a-GFP)を作出した。35Spro:GFP系統ではGFPが細胞質に蓄積したが、35Spro:13a-GFP系統では13a-GFPがPB-Iの中心部に蓄積していた。一方、13apro:13a-GFP系統では13a-GFPがPB-Iの外周領域に蓄積していた。これらの結果から、プロラミンの部位特異的集積には、プロラミンの成熟ポリペプチド配列と、プロラミンプロモーターによる遺伝子発現制御の両方が重要であることが示唆された。
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© 2011 日本植物生理学会
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