日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

野外に植栽した遺伝子組換えポプラ
*林 隆久海田 るみ飯塚 春香谷口 亨栗田 学小長谷 賢一石井 克明近藤 禎二太田 誠一舟橋 史晃馬場 啓一加来 友美古田 裕三菊池 彰吉田 正人横山 峰幸
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0529

詳細
抄録
遺伝子組換えポプラの野外試験を林木育種センター隔離圃場で、2010年12月まで4年間、実施した。組換えポプラは、セルロースミクロフィブリルを架橋しているキシログルカンを分解するキシログルカナーゼ(AaXEG2)を構成発現させたものである。野外試験を始める前に培養室で育成させた場合、組換えポプラは、成長速度が早く、セルロース含量が高くなり、木部の比重が高くなった。また、葉は緑色が強く厚くて重い陽葉の性質を見せた。網室の育成では、セルロース含量が高いことと陽葉の表現型は保存された。
野外に植栽した場合、成長レベルは、富栄養区では野生株よりも低かったが、貧栄養区では野生株と同じレベルになった。キシログルカナーゼ活性は、芽で低く、根で高く、根の成長が抑えられていた。葉は、陽葉の表現型を示した。各組織におけるプロテオーム解析から、全ての部位でストレスに関連する遺伝子の発現が増大した。
著者関連情報
© 2011 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top