日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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L-AOPP のオーキシン生合成阻害作用の解析
*小倉 岳彦佐々木 江理子綾野 まどか嶋田 幸久
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p. 0635

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抄録
天然型オーキシンである IAA (indole-3-acetic acid) の生合成に関しては、これまでに活発な研究が行われた結果、非常に複雑な生合成経路が提唱されている。しかし、各経路の役割を含め、未だに全容の理解には至っていない。IAA 生合成研究では生合成遺伝子の機能重複や生合成異常の変異体作出の困難さなどが問題となるが、生合成阻害剤を用いたケミカルジェネティクスの手法を用いることでこのような問題が解消され、さらに研究が進展すると期待される。しかし、IAA に関してはこれまで生合成阻害剤が報告されてこなかった。最近我々は、L-2-aminooxy-3-phenylpropionic acid (L-AOPP) がシロイヌナズナの IAA の内生量を減少させ、その効果が短時間で生じる、他のホルモンを介さない直接的なものであることを示した。本研究では、シロイヌナズナにおける L-AOPP の作用を、標的酵素に対する活性を含め、より詳細に解析した。その結果、IAA 生合成酵素 TAA1 (TRYPTOPHAN AMINOTRANSFERASE OF ARABIDOPSIS1) の活性を L-AOPP が阻害することを確認した。また、マイクロアレイによるトランスクリプトーム解析、生理学的な実験などにより、IAA 生合成に対する L-AOPP の阻害作用を多角的に示した。
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© 2011 日本植物生理学会
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