日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ブラシノステロイド情報伝達突然変異体のFOXラインからの探索
*宮地 朋子市川 尚斉松井 南中野 明彦浅見 忠男中野 雄司
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p. 0711

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抄録
ブラシノステロイドは細胞の分裂や伸長、葉緑体制御など、植物の生長に重要な植物ステロイドホルモンである。現在までに、Fast Neutron変異やアクティベーションタギングベクターのシステムを用いて、bil (Brz-insensitive-long hypocotyls) 変異体の探索が試みられてきた。本研究では理化学研究所PSCで構築された、シロイヌナズナ完全長cDNAをCaMV35sプロモーターに接続して高発現させたFOX (Full-length cDNA over-expressor gene)ハンティングシステムによる変異体群から新しいbil変異体の探索を試みた。現在、約8,000ラインより選抜を行い、約20ラインのbil変異体候補を得ている。そのうち、各々独立して単離した変異体Y72、Y114、Y162は、導入cDNA解析の結果、同一の新規機能未知遺伝子の高発現が原因である可能性が推測された。また、これら3ラインはBrz上での胚軸伸長だけでなく、成熟形態において野生型より花茎長が長くなる形態が観察された。比較的穏やかなブラシノステロイド処理は花茎伸長を促進することが知られており、興味深い形態であると考えられる。現在さらに、発芽時におけるbil形態と共に、成熟時に花茎数が減少する形態やslender dwarf形態を示す変異体なども得られており、解析を進めている。
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© 2011 日本植物生理学会
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