日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナ細胞膜に局在するSYP123と相互作用するタンパク質の解析
*三好 皓之鐘尾 啓太深尾 陽一朗藤原 正幸佐藤 雅彦
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p. 0720

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抄録
SNAREは、単膜系オルガネラ間における小胞輸送に関与し、主に輸送小胞と標的オルガネラ膜の正確な膜融合を制御する役割を担っている分子である。シロイヌナズナにおいては、細胞膜に局在する9種類のQa-SNAREが、それぞれ異なった組織特異的発現を示す。その中でもSYP123は根毛細胞に特異的に発現し、更に根毛細胞の中でも特に根毛の先端部に強い局在性を示す事がわかっている。根毛細胞においては、SYP123の他に、SYP132も同時に発現しているが、SYP132は、SYP123とは異なって、細胞膜全体に均等に局在する。我々は、そこで、SYP123の極性確立機構を解明するためにSYP123と相互作用し複合体を形成するタンパク質の解析を行った。その結果、小胞輸送や細胞分裂に関与すると考えられているタンパク質SH3P1(SH3 domain-containing protein1)がSYP123と相互作用するという可能性が示唆された。SH3P1にGFPを融合したタンパク質を自己プロモーターの制御下で発現する形質転換体を作成し、解析した結果、SH3P1は、細胞膜、特に根毛の先端や分裂細胞の分裂面に強く局在することがわかった。
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© 2011 日本植物生理学会
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