日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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Mg-chelatase HサブユニットとプラスチドシグナルおよびABAの関係
*望月 伸悦衣幡 春映岡 義人吉積 毅近藤 陽一松井 南長谷 あきら
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p. 0721

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抄録
高等植物では、葉緑体の発達が阻害されると葉緑体機能(特に光合成機能)に関わる核コードの遺伝子群の転写が強く抑制される。この調節にはプラスチドから核へのレトログレードシグナル(プラスチドシグナル)が関わっている。このシグナル伝達に関わる遺伝子の一つCHLHGUN5/ABAR)はMg-chelataseのHサブユニットとしてクロロフィル合成に関わるだけでなく、ABA受容体としても機能する多機能タンパク質であることが分かっている。プラスチドシグナル伝達に対するABAの効果を再検証した結果、C. Voigtらの報告(Physiol.Plant, 2009)と同様に低濃度のABAによってプラスチドシグナルが部分的に回復することが分かった。本発表では、さらにgun5変異体アリルを含むgun変異体におけるABAの応答性について報告する。また、CHLHタンパク質の構造と機能の関係を明らかにするため、改変型CHLH遺伝子を用い、プラスチドシグナル・テトラピロール合成・ABA応答に重要な機能ドメインの相関関係を調べている。最後に、FOXハンティング系統(cDNA過剰発現ライン)を用いた新規プラスチドシグナル伝達系変異体スクリーニングで得られた候補株の解析についても報告を行う。
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© 2011 日本植物生理学会
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