日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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形質転換タバコBY-2細胞の細胞質表層におけるシロイヌナズナ中間径フィラメントモチーフタンパク質IFMoP1の局在及びその経時的変化
*内藤 文雄藤田 真幸久家 徳之佐藤 成一金田 剛史
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p. 0726

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抄録
中間径フィラメント(IF)は、動物細胞では主要な細胞骨格として知られている。しかしながら、植物細胞ではIFを構成するタンパク質をコードする遺伝子はクローニングされていない。我々は、動物のIFタンパク質と推定アミノ酸配列レベルにおいて共通の特徴を持ち、タバコBY-2細胞内で過剰発現させたGFPとの融合タンパク質が蛍光顕微鏡観察レベルで核周辺の細胞質において細胞骨格様の繊維状の構造をとるシロイヌナズナIFMoP1を植物のIFタンパク質の候補と考えて研究を行っている。本研究では、IFMoP1の細胞質表層における局在及びその経時的変化について調べた。
定常期の形質転換タバコBY-2細胞内で過剰発現させたIFMoP1-GFPのとる構造について詳細に観察した結果、繊維状の構造に加えて、点状あるいは短い断片状の構造が細胞質表層付近において細胞長軸に対してほぼ垂直に並んで配列している様子が観察された。さらに、タイムラプス解析を行った結果、IFMoP1-GFPが形成する繊維状の構造物が複雑な挙動を示し、その後に点状あるいは短い断片状に分断され、細胞質表層付近に分散し局在していく様子が観察された。細胞質表層付近のIFMoP1が形成する断片状の構造がとる配列は細胞質表層微小管が細胞長軸に対して垂直に配列している様子と似ているので、今後、微小管との局在関係について検討していく予定である。
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© 2011 日本植物生理学会
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