日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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Fumonisin B1によるプログラム細胞死にはエチレンシグナル経路が関与する.
*間瀬 圭介石濱 伸明森 仁志児玉 基一朗吉岡 博文
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p. 0784

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抄録
AAL毒素は,トマトアルターナリア茎枯病菌の病原因子である.AAL毒素はスフィンガニンの構造類似体であり,セラミド合成系を攪乱することにより宿主植物にプログラム細胞死を誘導すると考えられている.これまでに,AAL毒素による細胞死においてエチレンシグナル経路が重要な役割を果たすことを明らかにし,AP2/ERF転写因子であるNuERF4がAAL毒素細胞死に関与することを示した.NuERF4をサイレンシングしたNicotiana umbraticaにおいては,AAL毒素による細胞死,茎枯病菌の病徴ともに抑制された.今回,Arabidopsis thalianaにおいてもNuERF4ホモログがプログラム細胞死に関与するか調べるため,AAL毒素の構造類似体であるFumonisin B1 (FB1) を用いた.NuERF4のAP2ドメインとA. thalianaのERFのAP2ドメインを用いて多重アミノ酸解析した結果,NuERF4A. thalianaのホモログであるA. thaliana ERF4 homolog (AEH1) を特定した.FB1でaeh1変異体を処理したところ,野生型の植物と比較して細胞死が遅延した.また,AEH1の過剰発現体を作出し,野生型と比較してAEH1過剰発現体において発現量が変化する遺伝子をマイクロアレイにより探索した.
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© 2011 日本植物生理学会
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