日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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レタス腐敗病の発病過程におけるレタス植物由来のPLATZ型転写因子の役割に関する研究
*丸山 智美李 京愛大西 浩平曵地 康史木場 章範
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p. 0783

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抄録
Pseudomonas cichorii(Pc)によるレタス腐敗病の発病過程には,植物のアポトーシス様自己細胞死(PCD)が関与する。本研究ではPcを接種したレタス植物内で発現が誘導されるP. cichorii-responsive genes(PcRG)4-5-2遺伝子に着目した.本遺伝子の推定アミノ酸配列は,Plant AT-rich sequence and Zn-binding protein (PLATZ) 領域を有していた(Lactuca sativa PLATZ :LsPLATZ).LsPLATZ遺伝子は野菜類軟腐病菌Pectobacterium cartovora subsp. cartovora,PCDを伴う抵抗性である過敏感反応(HR)を引き起こすP. syringae pv. syringae,およびP. syringae pv. phaseolicolaを接種した場合には発現誘導は認められなかった.またLsPLATZ遺伝子の発現は既知の植物細胞内情報伝達物質であるサリチル酸,ジャスモン酸,過酸化水素処理による影響も受けなかった.以上の結果から,LsPLATZ遺伝子は腐敗病の発病過程に特異的に関与し,既知のシグナル伝達系とは異なった経路で発現が誘導されると考えられた.現在,LsPLATZ遺伝子の詳細な機能解析を進めている.
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© 2011 日本植物生理学会
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