抄録
イネは既に全ゲノム配列の解析がO.sativa(日本晴)で完了しているので、近縁種の解析において正確なリファレンス配列が利用可能である。高速シークエンサーを用いて野生型イネと栽培種のゲノムシークエンスを詳細に比較することで、ゲノム構造の多様性を解析する作業を進めている。AAゲノム野生型イネのなかでも栽培種と近縁であるO.rufipogon一年生及び多年生各1系統、栽培イネから遠いO.longistaminata2系統について、(O.sativa:日本晴)へのマッピングを行い、ゲノムワイドな比較解析を行った。illumina GAIIxの解析から得られた、4997万-8177万paired readsを対象にして、DDBJのクラウド型解析パイプラインに実装されたBWAプログラムを用いてマッピングを行った。O.rufipogonの2系統ではリピート配列を除いたゲノムの85%以上のマッピング率が得られたので、このシークエンスをドラフトシークエンスとして詳細な解析等を行った。一方でO.longistaminataでは、マッピング率が63-67%だったことより、de novo assembly解析も行う必要が示された。現在、O.sativaのjaponicaとindica栽培種と野生イネの類似度のSNPsによる比較解析等を行っておりその結果についても報告したい。