日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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日本型イネ品種間のゲノムワイドな多型検出とその利用
*吉瀬(新井) 祐子志波 優江花 薫子長崎 英樹吉川 博文矢野 昌裕若狭 暁
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p. 0823

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抄録
次世代シーケンサーの登場により、従来は難しかった個体間、品種間のゲノム配列の違いを明らかにして、1塩基多型(SNP)や挿入欠失(InDel)などの多型情報をゲノムワイドに短期間で得ることが可能になった。SNPやInDelは、有用形質の選抜などにおいてDNAマーカーとして広く使われており、これらの効率的な遺伝解析に欠かせない。そこで、日本型イネ品種間で利用可能なDNAマーカーの大量取得を目指し、日本型イネ在来品種「雄町」の全ゲノムを次世代シーケンサーGenome Analyzer II (イルミナ社製)で解読し、SNP及びInDelの検出を試みた。
解読した「雄町」ゲノム配列と「日本晴」ゲノムを比較し、ゲノムワイドな135,462 SNPs及び35,776 InDelsを検出することができた。ゲノム上に分散する712箇所のSNPsを用いたSNPアレイ解析により、577 個のSNPsの有効性が検証された。また、「雄町」、「日本晴」以外の日本型イネ品種についても、検出したInDelの一部をサンガー法で検証し、ジェノタイピングに利用できることを確認した。本大会では得られたSNP及びInDelのDNAマーカーとしての利用について報告する。
本研究は文部科学省「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の一環として実施したものである。
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© 2011 日本植物生理学会
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