日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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海洋性珪藻の鉄応答転写制御機構の解析
丹羽 めぐみ*松井 啓晃松田 祐介
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p. 0846

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抄録
High-Nutrient, Low-Chlorophyll 海域において、珪藻を含む多くの植物プランクトンの生育や光合成活性が制限され、原因は鉄の欠乏であることが示唆された。海洋性珪藻類の鉄応答機構を解明するため、本研究では海洋性珪藻 Thalassiosira pseudonana および Phaeodactylum tricornutum の鉄応答性プロモーターの探索および解析を行った。先行研究から、鉄制限時の光合成は溶存無機炭素との親和性が変化することが分かっている。RT-PCR を用いて鉄制限時に mRNA 蓄積量が増加した遺伝子を T. pseudonana で 2 遺伝子、P. tricornutum で11 遺伝子発見した。これらのうち、T. pseudonanairon permease1P. tricornutumferrichrome binding protein1flavodoxin および iron starvation induced protein1、それぞれの予想プロモーター領域を単離し、egfp または uidA をレポーターとしてプロモーター活性を評価した。その結果、全てのプロモーターが鉄飢餓特異的なプロモーター活性の上昇を示したことから、単離した領域内に鉄飢餓応答配列を有すると考えられる。
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© 2011 日本植物生理学会
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