抄録
シロイヌナズナの細胞周期停止因子群Kip-related proteinsであるAtKRP1~7はモチーフの構成から大きく2つのグループに分類できると考えられる. モチーフを7個以上もつ大サイズ・グループ(AtKRP3, 4, 5)と4~5個の小サイズ・グループ(AtKRP1, 2,k 6, 7) である. C末端側のCDK-cyclin 結合ドメインを構成する2つのモチーフ以外の機能は不明である. これらモチーフの機能の一つとして他タンパク質との相互作用があるのではないかと考え, 結合タンパク質の探索を行うこととした.
対象 KRPには大サイズ・グループに属するAtKRP3に注目した. 同遺伝子は他のKRPと比べ, 培養細胞で高い発現をみせる等, 特異的な発現が観察されている.方法には酵母 two hybrid 法を用い, preyにAtKRP3-cDNAを,bait にシロイヌナズナ芽生え由来のcDNA-poolを用いた.その結果, 約3万個のクローンより15個の候補タンパク質を選抜した.これらにはCDKA, 機能未知タンパク質, Rubisco 小サブユニット等の葉緑体関連遺伝子等が含まれていた.現在,これら候補タンパク質とAtKRP3とのin vitroでの結合能について検証を進めている.