日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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オルガネラ-核間に存在するDNA複製を協調させる分子機構の解析
*小林 勇気華岡 光正田中 寛
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p. 0868

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抄録
植物細胞において、核DNA複製(nuclear DNA replication: NDR)とオルガネラDNA複製(organelle DNA replication: ODR)を協調させる機構については殆ど明らかにされていなかった。近年、我々は単細胞紅藻Cyanidioschyzon merolaeおよびタバコ培養細胞BY2においてNDRがODRによって制御されていること、そしてオルガネラからNDRの開始を伝えるシグナルとしてテトラピロールの一種であるMg-ProtoIXが働いていることを明らかにした。NDRはMg-ProtoIXの蓄積によってCDKAが活性化される事によって行われる1。しかし、Mg-ProtoIXによるCDKAの活性化がどのような分子機構によって行われているかは不明であった。前年会で我々はCDKAの活性化は、F-boxタンパク-Fbx3 によるCyclin 1のユビキチン化がMg-ProtoIXによって阻害されるために起こる事をin vitro実験系により明らかにした。今回、in vivoの実験系を用いて更なる検証を行ったので報告する。これらの実験結果をふまえたMg-ProtoIXによるNDRの開始機構のモデルを提示する。
1 Kobayashi, Y. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 106, 803 (2009).
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