日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナCLE-CLV1カスケードの下流因子の探索とその機能解析
*新谷 考央Wibowo Juliarni高橋 秀樹
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p. 0891

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抄録
2010年度までの研究において、我々は12アミノ酸からなるペプチドシグナルをコードしているCLE1-7遺伝子の機能を解析してきた。その結果、低硝酸条件においてCLE1-7遺伝子が根で発現し、同じく根で発現する受容体タンパクであるCLV1と共に側根の伸長を制御していることを明らかにした。したがって、根でのCLE-CLV1カスケードの下流には側根の伸長を直接制御している因子が存在する可能性が高い。しかし、カスケードの全体像は不明である。本研究では、CLE-CLV1カスケードの全体像を明らかにすることを目的として、下流因子の探索と機能解析を行っている。
我々は、まずCLE3過剰発現株とclv1変異体を用いたトランスクリプトーム解析を行い、野生型株の遺伝子発現プロファイルと比較解析した。根から抽出したmRNAを用いてATH-1アレイによる解析を行った結果、CLE3過剰発現株とclv1変異体で逆の発現応答を示す候補遺伝子が9個見つかった。これら下流因子の候補遺伝子のうち、野生型株と比較して特にmRNA量の変化が大きかった3つの遺伝子についてさらに解析を進めている。これら3つの遺伝子はそれぞれ、Heat-shock protein、転写因子、トランスポーターをコードしていた。現在、これらの遺伝子の過剰発現株、プロモーターGFP発現株を作成し、その表現型と遺伝子発現の局在について解析している。
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© 2011 日本植物生理学会
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