日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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イネのカドミウム集積を抑制する遺伝子
*馬 建鋒上野 大勢山地 直樹矢野 昌裕
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p. S0003

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抄録
カドミウム(Cd)はイタイイタイ病の原因物質で、主な摂取源は主食のコメからである。従って、コメ中のカドミウムを低下させることは健康上非常に重要である。我々はイネのカドミウム集積における品種間差を利用して、カドミウムの集積に関与するQTLの解析を行ってきた。現在までにカドミウムの集積に関与するQTLを三つ同定し、そのうち、染色体7番にあるQTL遺伝子の同定と機能解析を終えている(Ueno et al., 2010)。この遺伝子によってコードされるOsHMA3はP-type ATPaseファミリーに属しており、根のすべての細胞の液胞膜に局在していた。高カドミウム品種と低カドミウム品種の間には発現レベルや組織・細胞局在の差が見られなかった。しかし、低集積品種由来のOsHMA3がCdを輸送する活性を示したのに対して、高集積品集由来のOsHMA3はCd輸送活性が見られなかった。更なる検討を行った結果、80番目のアミノ酸の置換が活性発現に影響を与えていた。機能型OsHMA3を過剰発現すると、カドミウム汚染土壌に栽培しても玄米中のカドミウムが非常に低く押さえられていた。これらの結果から機能型OsHMA3が根の細胞内に入ってくるCdを液胞に隔離することによって、地上部へのCd輸送を抑制していることが明らかとなった。
Ueno et al., PNAS, 107, 16500-16505 (2010).
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© 2011 日本植物生理学会
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