日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナにおける低分子RNAを介したDNAメチル化の分子機構
*Kanno Tatsuo
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p. S0010

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抄録
長さにして二十数塩基前後の低分子RNA(small RNA)が生体内における遺伝子発現調節に重要な役割を果たしている.small RNAは転写後レベルの遺伝子発現調節に加えて,転写レベルでも大きな働きをしていることが分かってきた.
このような転写レベルでの調節機構の一つが低分子RNAシグナルを介したDNAのメチル化(RNA-directed DNA methylation: RdDM)であり,植物でよく研究されているエピジェネティックな遺伝子発現調節機構のひとつである.RdDMは,2本鎖RNAが2本鎖RNA特異的リボヌクレアーゼによって24塩基の低分子RNAに分解されたとき,その低分子RNAと相補性を持つDNA領域に含まれる全てのシトシンがde novoのメチル化を受ける現象であり,植物体においてインタージェニック領域やユークロマティック領域に散在するトランスポゾンやリピート配列(の断片)の転写活性を抑制するために必要であると考えられている.
本講演では遺伝学的あるいは逆遺伝学的手法を用いて明らかにされてきたRdDMの分子機構について述べる.
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© 2011 日本植物生理学会
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