日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナ突然変異体を用いたDNAメチル化の下流で働く因子の解析
*西村 泰介Molinard GuillaumeBroger LarissaThore StephanePetty Tom山口 勝司重信 秀治Paszkowski Jerzy
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p. S0013

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抄録
シロイヌナズナmom1変異体では、DNAメチル化パターンが変化しないにも関わらず、ヘテロクロマチン遺伝子の発現抑制が解除される1。この事からMOM1はDNAメチル化の下流でもしくは独立で働く因子であると考えられる。最近、いくつかの遺伝子座においてMOM1はRNA誘導性DNAメチル化の下流で働く事2,3、CMM2と名付けられた植物でのみ見出される機能未知の保存領域が発現抑制に作用する事4が報告された。今回、私たちはCMM2の結晶構造解析及び機能解析を行い、CMM2が多量体を形成して発現抑制に機能する事を明らかにした。またmom1変異体の表現型を抑圧する新規変異体を現在までに12変異体単離している。これらの抑圧変異の中にはMOM1と協調して作用する因子における変異も含まれる事が期待される。いくつかの変異体についてはゲノム配列の再決定を行い、変異遺伝子の同定を試みている。

1. Nishimura and Paszkowski 2006 BBA-Gene structure and Expression 1769, 393
2. Yokthongwattana et al. 2010 EMBO J 29, 340
3. Numa et al. 2010 EMBO J 29, 352
4.Caikovski et al. 2008 PLoS Genet 4, e1000165
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© 2011 日本植物生理学会
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