日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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植物のネガティブレギュレーターの機能と役割
*高木 優
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p. S0034

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抄録
はじめに
最近、植物の遺伝子発現制御に負の制御因子(ネガティブレギュレーター)が関与している報告が多くなされている。また、転写活性化因子を人為的に転写抑制因子に改変したキメラリプレッサーを発現する植物では、誘導された形質に関わる一群の遺伝子発現が上昇している現象がTCP転写因子などを含め、頻繁に見られる。これらのことは、植物には、負の制御機構が多く存在し、それらが正の制御機構と競合、協調して遺伝子発現を調節し、多様な応答制御、パターン形成、および恒常性の維持を担っていると考えられる。遺伝子発現の負の制御は、転写抑制因子による転写抑制、miRNA等による転写後の調整、タンパク質レベルでの分解制御、およびクロマチン修飾などが上げられる。しかし、ネガティブレギュレーターの制御機能と個々の役割についてはあまり判っていない。本シンポジウムでは、葉と花の器官形成、花原器制御、塩ストレス応答、ジベレリン応答および概日リズム形成に関わる負の制御機構について紹介し、ネガティブレギュレーターがこれらの現象にどの様に関与しているか、それらの機能と役割について議論する。
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© 2011 日本植物生理学会
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