超心理学研究
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意識力学と超心理現象
中山 正和
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1998 年 3 巻 2 号 p. 101-114

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抄録

Heisenbergの「不確定性原理」の発見によって量子力学が確立されたことはよく知られているが、そこで観測された事実は、東洋の仏典に書いてあることと驚くほど一致する。「不確定」というのはNewton力学の因果律が成立しないという意味である。

一方超心理現象といわれるものも、観測事実が因果律に反するから取り扱いに困るので、この「不確定性原理」の面から探求の糸口を見つけることはできないか?ということから、いわゆるニュー・サイエンスというのが現れた。その代表が物理学者Bohmだと言ってもいいだろう。

ところが、不思議なことに、物理学者はともかく、心理学者たちも「意識」という言葉を何の定義もなしに使っている(と筆者には思われる)。だが、東洋の古典には「唯識論」というのがあった。また、ブッダは「十二縁起」を説いている。それは物理学の宇宙論や大脳生理学によく似ているのである。

筆者はこれらの事実を(筆者のアイデア技法「NM法」によって)総合した結果、「意識力学」という「仮説」に辿りついた。意識は力だとすれば「意識」の働きは力学的に図解、計算出来るのである。

まだ、超心理現象の研究に役立つまでには至っていないが、何かの方向付けになれば幸いと思う。

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© 1998 日本超心理学会
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