小児の精神と神経
Online ISSN : 2434-1339
Print ISSN : 0559-9040
不適切な養育を受けた子どものアタッチメント形成不全とトラウマ
奥山 眞紀子
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2019 年 59 巻 2 号 p. 150-154

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抄録
タッチメント理論およびトラウマ理論は,不適切な養育,つまり虐待を受けて育った子どもの特徴的な行動を理解するうえで重要である.親子関係への関心に始まり,アタッチメント理論,隔離猿の研究,アタッチメント型分類,アタッチメント障害などを解説した.そのうえで,不適切な養育を受けた子どもの行動をアタッチメント問題-トラウマコンプレックスとして捉え,心理的プロセスとしての説明を提示した.加えて,近年,遺伝学や脳科学の分野からそれが生物学的に証明されつつあることを提示した.また,それに基づいて,治療やケアの方策を考える必要があることに関しても述べた.しかし,このような重大な結果になる不適切な養育を予防することが最も重要である.
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© 2019 一般社団法人日本小児精神神経学会
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