本研究では,発達障害のある子どもや子育てに困難さを感じる子どもの保護者支援プログラムである「ペアレント・プログラム」(2015年度から2022年度に実施)に参加した保護者759名にアンケート調査(養育スタイル尺度または肯定的・否定的養育様式尺度,日本語版BDI-II, Strength and Difficult Questionnaire(SDQ))をプログラムの実施前と実施後に行った.そのうち子どもが12歳以下である393名を分析対象として効果検証をした.養育態度,抑うつ傾向,SDQの多動・不注意・友人関係の問題・向社会的な行動で有意な改善が見られた.また,プログラム実施前に否定的養育態度や抑うつ傾向の得点が高い人ほど変化量が大きかった.ペアレント・プログラムは,地域や支援者,子どもの年齢や診断の有無や種類に関わらず,養育態度や抑うつ傾向,(保護者から見た)子どもの情緒や行動の問題に対して有効であることが示唆され,子育て支援施策として保護者が安心して子育てができるように各自治体での普及が期待される.
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