2017 年 33 巻 2 号 p. 60-72
骨系統疾患に対する放射線学的診断アプローチについてbone dysplasia familyの概念にもとづいて解説する.この概念はJuergen Sprangerが提唱した疾患分類である.彼は形態的類似性に注目して,病態関連が予想される疾患群をbone dysplasia family(group)とした.代表的なものは軟骨無形成症ファミリー,先天性脊椎骨端異形成症ファミリーなどである.現在では,前者はFGFR3の対立遺伝子異常群,後者はCOL2A1の対立遺伝子異常群であることが証明されている.彼が提唱した古典的骨異形成症ファミリーに加えて,最近全貌が明らかにされた新しい骨異形成症ファミリーについても述べたい.