日本小児放射線学会雑誌
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最新号
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第56回日本小児放射線学会学術集会“新時代の小児診療,360度の評価をめざして”より
  • 鈴木 信
    2021 年 37 巻 1 号 p. 1
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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  • 鈴木 信
    2021 年 37 巻 1 号 p. 2-10
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    急性腹症は手術など何らかの治療介入を要することが稀ではなく,限られた時間内に適切な対応が求められる.しかしながら,急性腹症の原因疾患は多彩であり,診断は容易ではない.通常は病歴,身体所見,血液検査,画像検査などから総合的に診断され,治療方針が決定されるが,小児は適切な言葉で自分の症状を表現することが困難で,身体所見に次いで画像診断が重要となってくる.本来は放射線科医による適切な検査,撮影条件の決定を行い,質の高い診断が行われるべきであるが,本邦では諸外国に比し放射線科医が大幅に不足しており,24時間,365日対応が可能な施設は大学病院などのごく一部の施設に限定される.このような現状においては,担当する各診療科の医師が検査の選択から診断まで行わざるを得ない.そのためには各画像検査の利点・欠点を理解し,それぞれの検査によって治療方針に影響を与えるどのような情報が得られるかを考え選択する必要がある.

  • 望月 博之
    2021 年 37 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    小児の呼吸器疾患の原因疾患は気道感染症のみならず,先天性疾患やアレルギー疾患など,多岐に及ぶ.さらに,成長・発達に関連する因子が加わるため,同じ範疇の疾患であっても,年齢的な相違がみられる.年少児では気道感染症に罹患しやすく,解剖学的,呼吸生理学的な不利から呼吸器症状を起こしやすいことや肺機能検査ができないことから,診断に苦慮することも多い.一方,小児患者の保護者は,疾患に対する不安だけでなく,夜間の症状出現による保護者自身の睡眠障害などから,心身共に疲弊する傾向にある.このため,小児の患者では診断や治療効果判定に画像診断の比重が高い印象がある.胸部X線撮影は最も身近な画像診断法であるが,単純撮影であっても得られる情報は数多い.小児の呼吸器の特性,さらには,小児の呼吸器疾患の特性を理解すれば必要十分な情報を引き出し,早期の診断や有効な治療に結び付けることが可能である.

  • 野澤 久美子
    2021 年 37 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    肺や気道の画像診断は,単純X線写真とCTが検査モダリティの主力であることは新生児においても変わりないが,新生児期は小児の中でも放射線感受性が高い時期であるため,被ばく低減への配慮は特に必要で正当化と最適化の検討は欠かせない.電離放射線被ばくが無く組織コントラストに優れるMRIは,小児における有用性が高いことは言うまでもないが,肺の評価においてはプロトン密度が低く,心臓や呼吸の動きや肺組織間境界面に起因するアーチファクトなど,技術的に困難な問題を多く抱えている.検査時間が長く,小児では鎮静が必要となることも欠点である.近年,撮像技術の進歩により,エコー時間が非常に短いシーケンスを用いて空間分解能の高い画像を得ることが可能となり,安静呼吸下の撮像でも肺や気道についてある程度の評価が可能となってきた.本稿では新生児期の画像診断におけるMRIの役割と現状,将来への展望について紹介する.

  • 宮嵜 治
    2021 年 37 巻 1 号 p. 25-33
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    本稿は第56回日本小児放射線学会学術集会シンポジウム「新生児と画像診断」において行った講演内容を抜粋した総説である.骨系統疾患の読影プロセスにおいて単純X線撮影から異常所見を発見する「key findingの指摘」に加え,「pathognomonic finding」という概念を紹介した.“Pathognomonic”という単語は「疾病特徴的」,「ある種の疾患に特異的な徴候,または症状に関係する」という意味である.骨系統疾患が疑われた場合のpathognomonic findingには,1)その所見の疾患特異度が非常に高く,それが固有の診断名と直結する場合と,2)その所見により,固有の診断名の裏付けや後押しとなる場合や,bone dysplasiaグループのなかに複数ある疾患の中から一つに絞り込む場合などのパターンがある.本稿ではpathognomonic findingの実例をこの2つのパターンに分けて解説する.

  • 竹谷 健
    2021 年 37 巻 1 号 p. 34-41
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    先天性骨系統疾患は,画像診断の進歩や原因遺伝子の同定により早期診断が可能となっている.しかし,患者の多くは致死的な経過をとるか,著しく日常生活が障害される.したがって,根治療法を含めた治療法の確立が期待されている.我々は先天性骨系統疾患の1つである低ホスファターゼ症(hypophosphatasia; HPP)に対する根治療法を目指して,間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell; MSC)を用いた骨再生治療に取り組んでいる.これまで,致死的なHPP患者に対して同種MSCを用いた治療を行った結果,骨の石灰化の回復だけでなく,筋肉や呼吸障害の改善もみられ,さらに精神発達も伸びることによって,生命予後ともにQOLの改善ももたらした.しかし,正常の骨構造の回復には至っていない.今後,増殖能や骨分化に優れている,高純度MSC(rapidly expanded cells; REC)を用いた細胞移植を検討している.これらの方法論が確立すれば,HPP以外の他の先天性骨系統疾患の根治療法へも応用が期待できる.

  • 宇都宮 英綱, 原田 敦子, 小山 智史, 起塚 庸, 山中 巧
    2021 年 37 巻 1 号 p. 42-54
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    小児頭部外傷の画像診断は虐待に起因する頭部外傷(abusive head trauma; AHT)を鑑別する意味においても極めて重要である.しかし,AHTの病態や画像診断に関しては多くの議論があり,今なお一定の見解は得られていない.本稿では,AHTを含めた小児頭部外傷の理解を深めるため,特に乳幼児期の外傷例(頭血腫,硬膜外血腫,頭蓋冠骨折および硬膜下血腫)から頭蓋冠(特に縫合)と髄膜(特に硬膜境界細胞層:dural border cell layer)の発生と解剖について検討する.加えて,急性硬膜下血腫に併発する外傷後急性脳浮腫の発生機序についても神経興奮毒性の観点から考察する.

  • 夏目 淳
    2021 年 37 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    小児てんかんの原因や焦点の診断に神経画像は重要な役割を持つ.内側側頭葉てんかん(MTLE)では,海馬硬化と呼ばれる海馬の萎縮やT2強調像高信号が見られるが,高解像度MRIでは内部構造の評価も可能である.MTLEの患者では乳幼児期の熱性けいれん重積状態(FSE)が高頻度に見られる.我々はFSE発症後早期の海馬の体積増大と拡散強調像(DWI)高信号,その後の海馬萎縮を明らかにした.海馬体積増大やDWI高信号はFSEによるcytotoxic edemaを表していると考えられる.

    局所性皮質形成異常のMRI所見は,皮質の肥厚,皮髄境界の不明瞭,皮質下白質のT2強調像高信号が特徴である.ただし髄鞘化が未完成の乳児期にはこれらの所見がわかりにくい場合がある.

    MRI拡散テンソル画像や脳波-機能的MRI同時記録など,新しい画像評価法も小児てんかんの病態解明や焦点診断に用いられるようになっている.

  • 掛田 伸吾, 渡邊 啓太
    2021 年 37 巻 1 号 p. 61-67
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    近年,マルチバンドRFや圧縮センシングに代表されるMRI高速撮像技術は飛躍的に進歩し,日常診療においても脳高分解能画像の取得が容易になってきた.これに伴い,得られた脳MRIデータの解析技術・手法も日々アップデートされている.Voxel-based morphometry analysis(VBM)やsurface-based morphometry(SBM)は,高分解能3次元T1強調画像を用いる代表的な解析技術であり,ADHD(attention-deficit hyperactivity disorder)など様々な小児疾患に応用されてきた.VBMを用いることで,1 mm程度の立方体単位で全脳形態の変容を,容積,皮質厚,表面積などの視点から多角的に解析できる.最近では微細脳解剖の分画技術の向上により,アンモン角や海馬台など海馬を亜区域に分け容積を測定するhippocampal subfield解析も可能となった.VBMの魅力は,単なる脳容積・脳形態の比較だけでなく,臨床症状やバイオロジカルマーカに関連する脳領域を調べることで病態にアプローチできることにある.さらに,従来functional MRIで行われてきたコネクトーム解析を,テンソル画像や脳容積画像を用いて行うstructural networks解析も登場した.コネクトームは神経回路網(脳内ネットワーク)の地図であり,これを解析することで,脳領域間の相関関係,相互的なつながりを知ることができる.今回の発表では,最近のMRI撮像技術を述べた後,脳画像解析を身近に感じてもらうことを目的に,最新の小児脳画像研究を紹介しながら,その臨床的役割について解説する.

原著
  • 岡本 健太郎, 荻野 恵, 伊藤 佳史, 松寺 翔太郎
    原稿種別: 原著
    2021 年 37 巻 1 号 p. 68-74
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    近年,急速に普及している仮想現実(virtual reality: VR)技術によって臓器の立体構造を3D表示し供覧することが可能となっている.今回,小児外科領域の医学教育においてのVRの有効性を検討することを目的として本研究を行った.

    30名の被験者を無作為に2群に分け,一方には小児の上行結腸由来の嚢胞性疾患症例のCT画像(CT(ct→vr)群)を,もう一方には同症例のVR画像を供覧させ(VR(vr→ct)群),臓器の立体構造の理解度を測る試験を行った.次に,供覧するCT画像とVR画像を入れ替えて(CT(vr→ct)群,VR(ct→vr)群)クロスオーバー試験を行った.それぞれの試験の所要時間を比較すると先にVR画像を供覧した群(VR(vr→ct)群)が有意に短かった.また,正答率では先にVR画像を供覧した群(VR(vr→ct)群とCT(vr→ct)群)が有意に高かった.

    臓器の立体構造の把握が難しい症例に関しては,先にVR画像で全体を把握後,CT画像を詳細に確認することが有効であると考えられた.

  • 織部 祐介, 矢部 仁, 田中 宏, 松浦 由佳, 梅津 光生
    原稿種別: 原著
    2021 年 37 巻 1 号 p. 75-84
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    先天性心疾患の診断,治療及び経過観察には心臓カテーテル検査が用いられる.国外のデータベースを用いた多施設共同研究では面積線量(kerma-area product; KAP)を体重(body weight; BW)で割った値を用いた放射線量の記録の検討がされている.しかし,本邦においては,KAPを考慮した記録方法はあまり普及していない.本研究は,本邦で過去に行われた心臓カテーテル検査時の放射線量を解析し,本邦における放射線量の標準的な記録方法を提案し,既存のデータベースにて活用可能とすることを目的とした.放射線量の記録として透視線量率(fluoroscopic dose rate; FDR)の使用を評価した.FDR/BWはKAP/BWと相関が高く,解析された年齢で安定した値を得ることが可能と示唆された.FDR/BWは,本邦と国外のデータを比較する上で信頼できる指標であり,本邦における放射線量の標準的な記録の方法として用いることを提案する.これは,非常に簡便な方法であり,データベースを用いた研究での施設間比較が可能となる.

症例報告
  • 西谷 友里, 古田 繁行, 大山 慧, 長江 秀樹, 藤川 あつ子, 小池 淳樹, 北川 博昭
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 37 巻 1 号 p. 85-89
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    今回,我々は特徴的画像所見を呈した卵管捻転の症例を経験した.症例は11歳,女児.主訴は左下腹部痛.5日前から間欠的に左下腹部痛を認めた.左下腹部には鶏卵大の腫瘤を触知し,腹部超音波では骨盤内に水腫状に拡張した管状構造を認め卵巣由来の嚢胞性病変,傍卵巣嚢胞などが鑑別に挙げられた.同日行った骨盤部非造影MRIでは,両側の正常卵巣が確認できたが,左卵巣近傍にT1強調像で低信号,T2強調像で高信号の拡張した管状構造が認められ卵管水腫が疑われた.その後も腹痛は消失しないため,再度画像を再検討すると水腫状の管状構造の両端が収束し,捻れていく構造が確認されwhirlpool signと考えられた.この所見から,卵管捻転が強く疑われた.腹腔鏡で左卵管捻転を確認し,壊死に陥った卵管を切除した.卵管捻転は小児では稀な疾患で,その術前診断は困難なため治療が遅れる.自験例は術前に鑑別疾患の1つとして示され緊急手術を行ったが,卵管を温存することはできなかった.

  • 大山 有希子, 桃原 由二, 玉城 昭彦, 山里 將仁, 渡久地 鈴香, 屋良 朝雄, 又吉 隆
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 37 巻 1 号 p. 90-95
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    重複腸管症は出生4,500人に1人の割合で発症するとされる比較的稀な先天性腸疾患である.近年,胎児超音波検査の普及で胎児期に発見されることが多くなったが,出生後の臨床症状や画像所見は多岐にわたり,その他の腫瘤性病変との鑑別が難しいため術前の確定診断例は少ない.今回我々は胎児超音波検査にて肝嚢胞を疑われていた児で,出生後の画像検査で卵巣嚢腫や腸間膜嚢胞が疑われたものの確定診断には至らず,手術所見により重複腸管症と診断した1例を経験した.重複腸管症の症状や画像検査について自験例と既報を比較検討・考察する.

  • 花井 教史, 平井 聖子, 吉橋 知邦, 玉木 久光, 大森 多恵, 三澤 正弘
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 37 巻 1 号 p. 96-100
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    深頸部感染症評価目的に造影コンピューター断層撮影(computed tomography; CT)を施行し,傍咽頭蜂窩識炎及び喉頭浮腫を認めた化膿性頸部リンパ節炎の一例を経験した.症例は11歳女児.発熱,咽頭痛,右頸部腫脹で当院に紹介となった.超音波検査で右頸部リンパ節腫脹を認めたが膿瘍は認めず,化膿性頸部リンパ節炎と診断した.入院2日目に嚥下痛を自覚し,頸部造影CTで傍咽頭間隙の低吸収域と喉頭蓋及び披裂部の腫脹を認め,副腎皮質ステロイドで所見の改善を得た.小児では稀であるが,深頸部感染症に喉頭浮腫を合併することがある.本症例では化膿性頸部リンパ節炎に伴い,二次性に傍咽頭蜂窩織炎と喉頭浮腫が起こった可能性が考えられた.超音波検査で頸部リンパ節の状態,膿瘍形成の有無を把握出来るが,深頸部病変の評価は困難である.深頸部感染症を疑った際は,頸部造影CTが炎症所見や合併する喉頭浮腫など気道評価に有用であると考えられた.

  • 源川 結, 大森 多恵, 大坂 渓, 𠮷橋 知邦, 平井 聖子, 玉木 久光, 三澤 正弘
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 37 巻 1 号 p. 101-105
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    歯ブラシによる咽頭損傷により,重篤な縦隔気腫をもたらした1例を経験した.症例は2歳2か月男児.歯ブラシを咥えて転倒した.歯ブラシの破損はなかった.翌日から発熱と下顎部腫脹を認め近医受診.咽頭粘膜欠損なく,当院耳鼻科へ精査目的で紹介受診.喉頭ファイバーでも穿孔所見なく,熱源精査目的で当科受診となった.室内気で経皮的酸素飽和度(percutaneous oxygen saturation; SpO2)87%と低下し,コンピューター断層撮影(computerized tomography; CT)で深頸部から縦隔にかけて広範な気腫を認めた.低酸素血症を認め,急激な気腫の増悪の可能性があると判断し,小児集中治療室へ転送した.人工呼吸器管理・抗菌薬投与で後遺症なく救命しえた.

    歯ブラシによる口腔・咽頭損傷は臨床的に多く遭遇するが,軽症例が多い.身体所見,バイタルサインの増悪所見があれば早期の頸胸部CT検査が重症化の診断,治療方針の決定に有効であると思われた.

  • 安藤 沙耶, 日野田 卓也, 藤本 順平, 山田 浩史, 有薗 茂樹, 菅 剛, 金尾 昌太郎, 石藏 礼一, 小林 由典, 鶴田 悟
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 37 巻 1 号 p. 106-112
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    ビガバトリンとはGABA(γ(gamma)-aminobutyric acid)アミノ基転移酵素を阻害し脳内GABA濃度を上昇させ抗てんかん作用を有する薬剤である.Vigabatrin-associated brain abnormalities on magnetic resonance imaging(VABAM)とは,ビガバトリン投与中に生じる頭部MRIでの異常を指し,淡蒼球や脳幹背側,歯状核,視床などにT2強調像・拡散強調像で高信号を認めるとされている.

    症例1は6か月女児.点頭てんかんに対しビガバトリンとACTH療法の併用にて治療中,フォローの頭部MRIにて両側歯状核,中脳被蓋,淡蒼球,中脳黒質にT2強調画像・拡散強調画像で高信号を認めた.

    症例2は6か月女児.結節性硬化症に伴う点頭てんかんの発症予防目的にビガバトリンを使用中,フォローの頭部MRIにて脳幹背側の中脳四丘体・前交連に拡散強調画像で高信号を認めた.

    症例1,2についていずれも関連すると思われる臨床症状については認めなかった.

    特徴的な画像所見を呈し,また薬剤減量や中止で改善することがVABAMの特徴であり文献的考察を交えて報告する.

  • 塚本 由紀, 真島 久和, 犬飼 幸子
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 37 巻 1 号 p. 113-118
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/27
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    1歳10か月女児.発熱2日目(第2病日)に痙攣し,単純型熱性痙攣と診断された.第3病日,川崎病主要症状全てを認め川崎病の診断で当院に入院し,免疫グロブリン療法(IVIG)を開始した.同日夜に痙攣を2回認めた.第4病日,発熱が続きJapan Coma Scale 30の進行性の意識障害があり,脳MRIを施行したところ拡散強調画像において,脳梁膨大部,および前頭葉から半卵円中心に対称性の高信号域を認め,拡散係数は低下し,mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion(MERS)2型の画像所見に合致した.進行性の意識障害を認めたためIVIG追加とステロイドパルス療法を行ったところ,意識障害は改善し,後遺症なく経過した.本症例のように熱性痙攣と考えられた場合でも,脳炎・脳症の可能性があるので慎重な経過観察が必要である.

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